6:好転反応は本当の自分を取り戻す歩み
日常生活が快適に過ごせなくなるような、
体の不調や、心の不調は嫌なものですよね。
しかし、そんな不調の多くは、
それまでに抱えてしまっていた
ストレスや、身体や心への無理を
解消し、健康を回復させるための
反応だとしたらどうでしょう。
今回はそんな体と心の
健康回復機能の実際の作用に
ついて分かるお話です。
心理カウンセラー
長谷川 貴士 です。
- あんなに好きだったビールが、
コーヒーが飲めなくなる - 体の不調、変調の原因が分かる!
- 好転反応って?
- 体が排毒、排泄しづらいものとは?
- ぼくの毒素溜め込み生活
- 好転反応は産みの苦しみ
1:あんなに好きだったビール、
コーヒーが飲めなくなる
ある日、何の前触れもなく、
ぼくの体に突然始まった、
全身の痛みと血尿。
そして、食欲の
びっくりするぐらいの増進!
さらに、その増えた食欲に
任せて、1日5合(1.5キロ)もの
玄米を毎日完食していました。
それも我ながらびっくりですが、
(今はその当時の半分以下の
1日2合ぐらいです。)
それだけ食べていたのに、
わずか 1カ月ほどで 14キロも
体重が減っていたことに
気付いた時も、また衝撃でした。
その当時のぼくは、その不調や、
変化がどうして起きたのか、
全く見当がついていませんでしたし、
あんまり原因については深く考えて
いませんでした。
まぁー長い人生、こんなことも
あるだろう、そんな風に考えていました。
ですから、痛みや、血尿が
止んで思ったことは、
「あぁよかった。寄生虫に取り付かれて
いたわけじゃなかったんだ。
ほっと一安心」
ということぐらいでした。
しかし、実は、ぼくの体に
起きていた変化は
それだけではありませんでした。
この体の変調を経験するまでは、
大好きで、毎晩欠かさず飲んでいた
ビールが飲めなくなりました。
まずは、ビールを飲んでも
おいしく感じなくなったのです。
仕事を終えて、家に帰ってきて、
ビールを飲んだ時にあった、
「くぅー爽快!うまい!」
この感覚がまるで無くなっていました。
そして、さらには、
ビールを飲むと、なんと、
鼻水が滝のように
ダダーっと流れ出て来て、
あわあわ、わわわわ、、、っとなって
ビールどころでは
なくなってしまうのです。
そして、同じく、毎朝飲む習慣が
あったコーヒーも、すっかり美味しく
感じなくなってしまいました。
インスタントではなく、
わざわざ、毎朝ペーパードリップで、
落としてまでしていたぐらい好きだったのに。
中学生の頃からの習慣で、もう、
コーヒーを飲まなければ
目が覚めないぐらいの
長年の根付いた習慣だったのに。
これはおかしい
なんだか変だ?っと
ぼくは思いました。
そんな時に出会った一冊の本が、
またまた、久司道夫先生の本。
マクロビオティックに興味を
持ちだしていたぼくが、
市立図書館で借りた
「マクロビオティック健康法
<正食のすすめ>」
(1979年・日貿出版社)でした。
<ちょっと不思議な表紙絵。。。
右上のこの鳥は一体、、、?(笑)。>
2:体の不調、変調の
原因が分かる!
なんと、そこには、
ぼくこの2、3か月の間に経験した
不思議な症状が
全て書かれていたのでした。
本には、
「正しい食事(正食)を始めると、
その移行期に肉体的、精神的に
変化、反応を少なからず経験する」
こうありました。
具体的な変化、反応の例は
以下の通りでした。
■ 1.痛み
過度の水分、砂糖、果物を
とっていた人に
ときどきあらわれる。
異常に拡大していた細胞組織が
徐々に収縮してゆくために起こる。
それまでの状態にもよるが、
それはだいたい三日から十四日かかる。
ぼくは、2ヶ月もかかりました。
相当、細胞組織が水分や砂糖、
お酒(=糖類)で
膨張していたようです。。。
■ 2.異常な尿
水分や、アルコール、牛乳などの
摂りすぎにより、
液体として溜っていた水分や脂肪が
尿として排出される。
たとえば癌の場合、
尿は異常に濃い茶色である。
■ 3.夢を見る
それまでの人生でショックを
受けたことの怖い夢を見る。
■ 4.寒け
皮膚が収縮する為に起こる。
ぼくは、体の変調を経験していた頃、
真夏の暑い最中でも寒気を感じ、
体を冷やす夏野菜(トマトやキュウリ)を
食べるとガタガタふるえるぐらいでした。
なので、真夏の盛りに体を温める
野菜であるゴボウばかりを食べて、
体を温めていました。
他にも、リアルで苦しくなるような
夢も連日見たりもしていました。
ぼくが経験した
これらの症状のほかにも、
5.全般的な疲労感
6.発熱・悪寒・せき
7.異常な発汗
8.異常な体臭
9.下痢と便秘
10.性欲の減退
11.月経の一時停止
12.精神の不安定
13.脱毛
14.知覚の変化
正食(せいしょく)を実践すると、
体の回復期の現れとして、
これらの症状が起こることが
あると書かれていました。
ここで言う正食(せいしょく)とは、
温帯に暮らす日本人にとっては、
おおむね玄米菜食のことです。
※玄米菜食とは※
玄米と五穀、野菜を
中心にした食生活で、
肉・魚・乳製品、
お酒・砂糖類は取らないか、
ごくたまにだけにする
食生活のことです。
==========
あぁ~そうだったのか~。
なんと、まぁ~。
とぼくは思いました。
ぼくが経験した体の不調や変調は
ぼくが興味本位で始めていた、
玄米菜食で耳が大きくなるのか?
の実験の結果だったのです。
それにしても、玄米菜食には
こんな影響力もあるとは。
全く驚くことばかりでした。
3:好転反応って?
そして、またしばらくたって。
ぼくが働いていた、
自然食レストランに来て下さっていた
馴染みのお客様と雑談していた時のことです。
その時に、ぼくが、玄米菜食を
実践していることが、たまたま
話題になりました。
お客さんから
「それなら、コーテンハンノーが
辛かったでしょう。
私も2年間体調を崩してたの。」
と言われ、
「項天半農??(コーテンハンノー)??
って何ですか??」
とぼくは聞きなれない言葉に
思わず聞き返しました。
天、神様が関係している、
サイキックな何かなのかな?
ぼくはとっさにそう思いました。
お話ししていたお客様から、
よくよくお話をお伺いすると、
「コーテンハンノー」とは、
玄米菜食(=日本人にとって
体によく馴染む食事方法)
をすることで起きてくる、
体の回復期に経験する
反応を指す言葉でした。
そして、漢字では「好転反応」と
書くのが正しいことを知りました。
「好転反応」として
起こる体の反応は決して
病気ではなく、デトックス
(=排毒)現象なのですね。
体は日常生活で受け取った毒を、
本来なら解毒、排毒します。
しかし、それができない、
または、解毒、排毒し
切れないぐらい沢山の毒素を
受け取ってしまった時には、
体は機能が低下しないように
それらを、体の奥、細胞の奥に集めて
閉じ込めて貯蔵する。
久司道夫先生は著書では
そう書かれています。
これだけ聞くと、
馴染みのない話だと思います。
しかし、久司道夫先生は、
その研究と見識と行動で、
アメリカ人の健康増進に
大きく貢献されてきた方です。
アメリカ国は、その久司先生の
多大な実績について感謝を表すために、
国立博物館に久司先生の業績を永久に讃え、
顕彰する殿堂ブースを用意しています。
< アメリカの国立博物館の久司先生の殿堂ブース >
久司先生は、日本では一部の
ファンの人にしか知られていない人ですが、
実はそれぐらい立派な先生です。
ですから、上記の著書の見識も
私達が健康を増進させるヒントとして
有効だと、ぼくは思っています。
4:体が排毒、排泄
しづらいものとは
それでは、私達の体が
排毒、排泄しづらいもの、
体の細胞に溜まり易いもの
とは何があるのでしょうか?
それは以下のようなものです。
<体(細胞)に溜まり易いもの>
= 人間が人工的に作り出した物質
● 化学物質
● 食品添加物
● 白砂糖
● マーガリン
● 薬 品
など
上記のようなものは、
体に馴染みが無い為に、
その物質に対しての体に備わっている
処理能力、解毒能力が弱く、小さく、
一度体に入ると、解毒、排毒され
にくいことが懸念されています。
また、過剰なストレスや、
ミネラル不足の食事が続くと
解毒・排毒機能が弱まってしまいます。
毒素や化学物質の細胞への蓄積が進むと、
その細胞は代謝が落ちて、
冷たくなり、免疫機能が落ちて、
癌細胞の繁殖を許すことになって
いくようです。(久司先生の著書より)
ですから、仕事が忙しく、
睡眠時間が短く、ご飯は、
コンビ二頼りと言うような
ストレスが多い生活習慣だと、
体の中に毒素が溜りやすいと言えます。
ぼく自身がそうだったので
体験として、よくわかります。
5:ぼくの毒素溜め込み生活
以下は、かつてのぼくの生活習慣です。
仕事から帰るのは毎晩、午前様。
休日出勤も厭わず、一カ月の休みは2日ぐらい。
月間の残業時間は200時間ぐらいありました。
そんなぼくは、出社前と
仕事帰りにはコンビニに寄って
食べるものを買うのが習慣でした。
朝はコーヒーとサンドイッチ。
深夜はおでんとビールと
スナック菓子とかですね。
< かつてぼくが愛用していた食べ物たち >
もともと、ぼくは自炊が好きで、
学生時代は毎日ご飯を作っていました。
しかし、仕事で忙しい時期が
3年ほど続いた時があり、
その時には、早朝と深夜にしか
自由になる時間がありませんでした。
ぼくが自由になれる時間に
店を開けてくれているのは、
コンビニぐらいしかありませんでした。
深夜早朝にも店を開け続けて
くれていた、コンビニさんには
本当に感謝でした。
しかし、その無理な生活習慣の
代償とでも、言うように、
ぼくには、右耳の後ろのリンパに
腫瘍ができてしまいました。
そして、その腫瘍は大きなコブとなり、
全身麻酔の手術で摘出することとなりました。
26歳の時でした。
6:好転反応は産みの苦しみ
そんな毒素とストレスの
溜め込み生活を3年ほど送った後で
出会ったのが玄米菜食でした。
ぼくは、玄米菜食を体験して、
体が元気になって
排毒能力を取り戻しました。
そして、体が、細胞の奥に
貯蔵してあった毒素を表に出して、汗や、
おしっこ、体臭、夢などとして排泄する。
その激しい好転反応が
始まったのでした。
好転反応が起こっているときには、
細胞の奥に眠っていた毒素が、
排毒のために、
一旦、血液の中に移動します。
その時には、体を毒素が
巡っている状態になるので、
疲労感や、発熱をともなうことも
あるようです。
そうした、「好転反応」による、
デトックス(排毒)の
プロセスが進むことで、
慢性疲労(だるさ)や、
イライラやクヨクヨ(生き辛さ)
などの心身の異常、今の自分は本当の
自分ではないという感覚などが
少しずつ解消されていきます。
心身ともに、本来の生き物、
動物としての元気活発な
自分に戻っていきます。
野生動物に備わっているような
美しさや気高さと同じような
人間としての生命力、
尊厳を取り戻していきます。
< うちの柴犬うみと野生の鹿との対決シーン>
いわば、痛みや苦しみをともなう
「好転反応」は、まさに、
「産みの苦しみ」であり、
「本当の自分に帰る一里塚」です。
「マクロビオティック健康法」
(久司道夫・著)によると
本来ならば、この様な苦しく、嫌な
「好転反応」を経験することなく、
体は穏やかに回復できるようです。
しかし、
「マクロビオティック健康法」が
出版された1979年から40年余りが
たった今日では、
40代より若い層の日本人は、
人工的な食べ物を摂取する機会も増え、
それに加えて、体質的にも退化して
弱くなり(若者は耳が小さ目になり)、
体への毒素の蓄積も
ずいぶんと増えているようです。
その結果、ぼくが体験した
ような、激しい好転反応も
起こりがちのようです。
食べ物や環境だけが原因では
ないとは思いますが、
アトピーなどの皮膚の
トラブルも一種の好転反応です。
20、30年ぐらい前から子供や
大人のアトピーが増えているのも
生活環境や体の変化の現れでしょうか。
(心理的に見ると、大人の
アトピーの原因は怒りの
抑圧であることが多いです。
つまり、言いたいことが言えない。
ガマンが多い人に多い症状です。)
身近なところでは、
風邪の諸症状である、
頭痛、発熱、悪寒、せき、
下痢なども病気ではなく、
「体」の回復作用であって、
「好転反応」です。
つまり、風邪をひいたことが
不調の原因ではなく、
不調の原因、ストレスの
蓄積が先にあったので、
その不調の原因やストレスの
蓄積を解消するために、
風邪をひくという回復作用、
「好転反応」を
体に起こさせるわけですね。
このように、
様々に無理をさせてきた
「体」への罪滅ぼしのような
時間でもある、
「好転反応」とどう向き合うのか。
それも現代人に必要な
気構え、たしなみかも知れません。
昔から、
「病(やまい)は神様からの
白紙のお手紙」
と言われています。
病(やまい)を悲観するのではなしに、
病(やまい)と言うお手紙を読み取って、
生活習慣を見直すキッカケに
することこそが大切という知恵が
昔から言い伝えられています。
この姿勢が、「好転反応」と
向き合う時に大切な姿勢だと
ぼくは、思っています。
・・・つづく
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5:健やかさを取り戻す道(マクロビオティック実体験)
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記事はこちらから
驚き!玄米デトックス@ぼくの体験記(全7回)
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