2:お母さんは私?母と子の心のシンプルで深い話
【カウンセラー長谷川】:
私達は心の深いところで、
お母さんを自分と
同一人物だと感じている
部分があるんだよ。
【柴犬うみ】:
えっそうなの?
あたし、そんなこと
思ったこともないけど
それって本当なの??
- 私達の自己評価は、
自分の母親への評価と重なる? - 私は母親への大きすぎる
期待を抱えて生まれてくる - 「お母さんありがとう」
これが素直に言えない人は
人生に苦労が多くなる?
1:私達の自己評価は、
自分の母親への評価と重なる?
私達が抱く母親への感情は、すぐさま、
自分の心身の健康度合いや、
自己価値(=セルフイメージ)や、
自己肯定の感覚に 反映されます。
私達が心の中に持つ、
母親への評価が悪化した分、
私たちの心身の健康度合いは悪化します。
自己価値(セルフイメージ)や
自己肯定の感覚も同じく悪化します。
これが、私達の心と体が持つ、
シンプルで重大な仕組みです。
私達のこの心の仕組みは、
私達の「命や体が生まれた仕組み」
と無関係ではないと私は考えています。
私達の命と身体は、もともとは、
母親のたった1個の細胞でした。
その母親の特別な1個の細胞が
分裂を繰り返すことで、
今、ここに「私」として存在しています。
つまり、母親の特別な1個の
細胞(卵細胞)が母親から分かれたのが、
今の私達です。
私達の命と体は、言わば母親の
コピー(複製)です。
このために、心理的には、
私達と母親の間の境目はとても曖昧です。
母親と私達は、全く同じ素材から
出来ているコピー同士だからです。
ですから、
私達は、自分の自己評価(=セルフイメージ)と
私達が心の中に持つ、母親への評価を
厳密に分けて認識することができません。
(私達が心の中に持つ)
母親への評価(母親へのイメージ)
= 自分の自己評価(=セルフイメージ)
こうなります。
私達が心の中に、自分の母親への低い評価
を抱えていると、それと等しく、
自己評価(セルフイメージ)も低下します。
(母親への低評価の例)
「私の母親はダメな人だった。」
「私の母親は私との接し方を失敗した。」
「私は母親が憎い、許せない。」
(母親への低評価を抱えているために起こる)
自分への低評価の例)
「私は(自分に)自信がない」
「私には自己肯定感がない」
「私は(足りないから)いつも頑張るべきだ。」
◆ ◆ ◆
これが私達の心が持つ、シンプルで
とても重大な仕組みです。
私達が心の中に抱える
(自分の)セルフイメージや、
自己肯定の感覚は、
自分が母親(=自分のコピー元) を
どう思っているのか?
このことに 大きく左右されます。
セルフイメージや自己肯定感は、
私達の心と体が元気で、ハツラツで、
健康に不安がないことや、
自分の望む人生を目指して、
一歩、一歩進んで行くために、
とても重要な要素です。
私達が心の中に抱え続けている、
母親への不満や憎しみ、
悲しみや怖れなどを癒し、
手放して行くことは、
私達が今より幸せになるための
重要なプロセスです。
人間関係を円満にするためにも、
望む人生に向かって元気よく
チャレンジするためにも、
母親への素直な親しみと
自然な敬愛の感覚があることが、
大きな意味を持ちます。
2:私達は母親への大きすぎる
期待を抱えて生まれてくる
私達は母親から優しく保護される
ことについて、 かなり大きな期待を
抱いて生まれてきます。
それは、私達が 母親からの手厚い
保護無しには 、生きていくことが
できない状態で 生まれてくることと
無縁ではないと思います。
しかし、誰にとっても
人生はカンタンではありません。
それは、私達の母親にも当てはまる
ことだったと思います。
そのために、私たちが母親に
期待した優しさや保護と 、
実際に母親が私たちに
できたことの間には、
大きなギャップ(差)が
あることが多いです。
私達の母親は、私達に、
私達が期待していたほどの優しさや
保護を十分に与えるだけの
時間の余裕や、心身の余裕が
無かったかも知れません。
これは、大人になった私達には十分に
想像することができることですね。
大人になると、誰の人生も完璧でも、
理想的でもないことを知ります。
ですから、大人は、私達が、いつでも優しく
寛大ではいられないことを知っています。
生活を成り立たせ、維持していく苦労や、
様々な事情から心身にストレスが掛かり、
心の余裕が小さくなり、
他人に優しくすることができなくなってしまう
ことを知っています。
ましてや、私達のような完璧とは
言えなかったであろう、
子供を育てていたとすれば、
(人間はどの人、どの子供も
完璧ということはありませんね。)
その頃の母親は、さぞかし
大変だったに違いありません。
心理的な理由だけでなく、
このような現実的な理由からも、
どの母親にとっても出来ることには
限界があることが想像できるかと思います。
しかし、私達は生まれながらに、
母親に保護と優しさを期待しています。
この実際に母親が出来ることの限界と、
子供である私達の期待との
ギャップ(差)のために、
多くの子供達は母親に対して、
少なからず我慢が必要です。
このために、私達、子供は欲求不満になり、
母親に不満や、憎しみ、怒りを抱きます。
(自分一人では気づくことができない、
深層心理の部分で、母親に怒り続けて
いる方も、少なくありません。)
現実的な観点から見て、
私達の心理が、こうなってしまうことを
避けることは、とても難しいことです。
ですから、私達の多くは、
多かれ、少なかれ、
子供心に、母親への不満を抱えます。
母親への評価が低くなってしまいます。
その分、自分への自信と
心身の健康を減らしてしまいます。
この状態を人生の時間の中で、
どう改善していくのか?
心理の観点から見ると、
これが、誰にとっても、
人生の主要なテーマの一つです。
3:「お母さんありがとう」
これが素直に言えない人は
人生に苦労が多くなる?
「お母さんありがとう」
この言葉を心から言えるようになるとき、
私たちの心は真に安らぎ、
体は健康になるための準備が整います。
「お母さんありがとう」
私達がこの言葉を心から
言えるようになるためには、
心の中にある母親への不満や
憎しみ、悲しみ、怖れなどの
わだかまりを 一つ、一つ見つけては
一つ、一つ、手放して行くことが大切です。
この過程が、心身の健康と
人生のあらゆる成功の土台を作ります。
私達の人生を心理の側面から見ると、
人生のあらゆる場面で、
「母親」との心理的な親しみの度合
(=母親との心理的な距離感)から
生まれる「影響力」が作用しています。
私達が円満な人間関係を築けるのか?
築けないのか?
温かなパートナーシップを持てるのか?
持てないのか?
自分への自信があるのか?ないのか?
仕事で成功を収めるのか?挫折するのか?
日々を楽しめるのか?楽しめないのか?
などなど、これらのどの項目にも、
「母親」との心理的な親しみの度合から
生まれる「影響力」が作用しています。
ですから、 心理カウンセリングにおいて、
「母親」とは、とても大きく、深いテーマです。
では「父親」は?
はい、次回は 「父親」について
解説させて頂きます。
次回もどうぞ お楽しみに(^^)!
============
>ひとつ前の記事に戻る
1: 着実に幸せになる方法、母親への親しみを取り戻す
============