元 保護犬、柴犬うみ の物語<活躍編>

 

心理カウンセラー

長谷川 貴士です。

 

【カウンセラー長谷川】

今日は、私が10年以上、
苦楽を共にしてきた(?)
わが家で飼っている
「柴犬」についてのお話の
後編・<活躍編>です。

 

【柴犬うみ】:

今回はあたしの
活躍編かぁ~
どんなお話が
聴けるのか 楽しみー☆

 

柴犬うみと私
     < 柴犬うみと私(長谷川)近江の山にて >


柴犬うみとの出会い編はこちらから
「元 保護犬、柴犬うみの物語<出会い編>」 



  • 柴犬うみと暮らし始める
  • 柴犬うみは夜ぐっすり眠る
  • 柴犬うみは名ハンター
  • 柴犬うみは母親になる

 

柴犬うみと花のイラスト

 

1:柴犬うみと暮らし始める

 

※今回のお話は、2010年頃、
 私がまだ農家を志していた頃のお話です。

 

柴犬うみとの出会いは、

2010年8月6日でした。

 

柴犬うみ座っている
   < 2010年11月の柴犬うみ >

 

それ以来、この記事を書いている

2020年3月現在で、かれこれ、

柴犬うみとは、10年以上の

付き合いとなりました。

 

柴犬うみストーブでうとうとする
<2020年冬の柴犬うみ。ストーブの前でうとうとする>

 

そんな柴犬うみを家に連れて帰ってきた

初日のことです。


犬と言えば、
屋外の犬小屋に繋がれて

大人しくしているもの。


この印象があった私は、

柴犬うみは昼間は外に出しておいて、


夜は玄関にスペースを作って、

そこに居てもらうつもりでした。


柴犬うみを
家に連れて帰ってきた

初日の夜になり、

私は、玄関先のスペースに

柴犬うみをつなぎました。


私の姿が見えなくなるや否や、

柴犬うみは玄関を激しく叩き始め、

さっそくに抗議を開始。


すごく、うるさいし、

私は玄関の扉が壊れないか

心配でした。


相手は犬ですから、
それまで

犬と触れ合う機会がなかった私でも


「やめなさい」と

口で言っても分からないことは、

分かっていました。


今日のところは、

柴犬うみも、うちに来た初日で、

環境が変わった不安も

あるだろうし仕方がない。


私はそう思い、綱をほどいて、

自由にさせてみました。


すると、柴犬うみは、

さっそうと玄関の段差を飛び越え、

一目散に家の中に駆け込みました。


そして、その後は、家の中で

延々と私の後を付いて回ります。


片時も私のそばを

離れようとしません。


そんな柴犬うみの様子に

私は、二つのことに思い至りました。


1つは、柴犬うみは、

以前の飼い主の時には、

室内犬だったようだ。


だから、外に繋がれた

経験がなくて、


家に上がることが普通だと

思っているんだろうな。


もう1つは、柴犬うみは、

もとの飼い主とはぐれたショックで

一人(一匹)になるのを

怖がっているんだろうな。


こう思いました。


そう思うと、柴犬うみの

境遇があわれに思われたので、


まぁ、2、3日は

仕方がないか、と思い、


柴犬のうみの好きに

させてみることにしました。


すると、柴犬うみは、

私が家の中や、外、どこに行くのも、

ずっと一緒に付いて回ってきます。


トイレも一緒に入りました。


私がお風呂に入っている時も、

お風呂の戸のすぐ外の脱衣所で、


私が出てくるのを見張って

待機しているような有り様でした。

 


            < 2011年9月の柴犬うみ。庭を探索。>

 

柴犬うみは、そんな様子でしたが、

当時の私は、寝室にだけは犬(=柴犬うみ)

を入れたくありませんでした。


柴犬うみと10年以上の

付き合いとなった今では、


冷え込む冬の早朝などには、

柴犬うみが私の布団にもぐり

込んでくるので、一緒に寝ています。


しかし、今から10年前、

柴犬うみを飼い始めた当初は、


まさか、犬を寝室に入るなんて!

気持ちが悪くて、無理。


私にはそんな感覚がありました。


犬は家の外の犬小屋に

つながれて寝ているもの。


私にあったのは、

このイメージでした。


しかし、当の柴犬うみは、

私が一人、寝室に消えて

行くことに納得がいきません。


寝室の外の廊下で静かに

朝まで待つことなんてできません。


柴犬うみは、寝室の扉を

外からガンッガンッと

激しく叩いて抗議し始めました。


さすがに私も、柴犬うみには

いくら言っても分からないであろう

日本語で、


「ここから先はダメです!」と、


柴犬うみに散々言って

聞かせて見ました。


しかし、案の定、柴犬であるうみは、

全く聞く耳を持ちません。


寝室の扉をガンッガンッと

激しく叩き続けて止めません。


柴犬うみの激しい抗議に

私はいよいよ根負けしました。


これでは、私は眠ることが

できないと悟りました。


しかし、そうは言っても、

私は犬である柴犬うみを、


どうしても寝室には

居れたくありませんでした。


犬(うみ)と人(私)の間の
そこの

一線だけは、守りたいと思っていました。

 

庭で甲羅干しの柴犬うみ
   < 庭先の岩の上で寝る柴犬うみ >

 

そこで仕方なく、私が寝室を出て、

玄関先の廊下で、犬(うみ)と

寝ることにしました。


8月だったので、それは、

そんなに難しいことでは

なかったのは幸いでした。


玄関先の廊下で、犬(うみ)と

寝ることも、


犬を家に迎えたことをきっかけに、

生活に起きた変化の一つ思えば、

少しだけ愉快な気分にもなれました。


キャンプのテントで寝る夜のような

雰囲気もなくはありませんでした。

 

柴犬うみと竹

 

私と柴犬うみが、夜になると

玄関先で一緒に寝ること3日。


そして、迎えた4日目の夜。


私はもう、玄関先に
布団を敷いて

寝ることに飽きてきていました。


玄関先の廊下は、夏なので、

早朝4時頃には、すでに太陽が

昇っているのですっかり明るくなります。


そんな玄関先では、私は落ち着いて

寝ることが出来ませんでした。


私は玄関先の廊下で犬と一緒に

寝続けることを断念しました。


その4日目の夜以来、

柴犬うみは、私が眠るベットの

足元のところに丸くなり

寝ることとなりました。

 

柴犬うみと草

 

2:柴犬うみは夜ぐっすり眠る

 

柴犬うみをわが家に迎え入れる

ことになったのは、


夜な夜な野生動物の襲撃を

受け続けていた、

家の真裏にある田畑を

守るためでした。

 

遠くを見つめる柴犬うみ
 < 秋の畑で遠くを見つめる柴犬うみ >

 

結論から言うと、柴犬うみは、

野生動物の襲撃には無力でした。


私の田畑が野生動物の

襲撃を受けるのは、多くは、

深夜から夜明け前頃です。


私の田畑は、その頃住んでいた

家の真裏にありました。


田畑に巡らしていた柵が

野生動物の襲撃によって、

破壊される音で、


私は夜中や明け方に

目を覚ますことが度々ありました。


すわ!一大事と、飛び起きた私は、

懐中電灯と(魚を突くための)

銛(モリ)を手に握りしめて、


柵を壊して畑に侵入した
鹿や

イノシシを追い払いに行きました。


しかし、やはり、野生動物が

家の真裏の田畑に来ていても、


私はすっかり寝ていて気づかない

ことも多かったわけです。


そこで、番犬に期待しました。


まず、犬だったら、
人間である

私より、聴覚や嗅覚が優れている。


私はそう思いました。


犬だったら、その優れた聴覚・嗅覚で

家や家の真裏にある田畑に

近づく怪しい気配に機敏に気が付くはず。


犬だったら、その怪しい侵入者を

追い払おうとして、ワン!ワン!と

吠えることで、


飼い主である私に異常を知らせて

くれるだろうと思いました。


犬は動物ですから、寝ていても、

どこか警戒しながら

寝ていると思っていました。


この私の期待は柴犬うみには

伝わりませんでした。


柴犬うみは、私が思い描いていた

「犬の役目」を引き受けるつもりが

全くありませんでした。

 

雪の道の柴犬うみ
         < 雪の回廊の柴犬うみ >

 

前述のように(多分)室内犬だった

であろう柴犬うみには、


家の外の犬小屋で飼われていたなら

身に付いていたであろう、


周囲への警戒心が大きく

不足していました。


柴犬うみは、警戒しながら

寝るということをしない犬でした。


夜は、私と同じく

朝まで熟睡する犬でした。


結局、私の家の真裏にある田畑に、

夜中や明け方に野生動物が

侵入してきていても、


柴犬うみは、「ワン!」とも

スンとも、ひと鳴きもせず、


スースーと寝息を

立てているばかりでした。


というわけで、
犬を飼うことで、

田畑の大切な作物を

野生動物の襲撃から守りたい。


この私の目論見は

絵に画いた餅に終わりました。

 

柴犬うみ、庭で寝てる
         < 庭で熟睡。柴犬うみ >

 

3:柴犬うみは名ハンター

 

深夜や早朝になると、私の田畑を

襲撃しに来る野生動物たちに、

いち早く気が付いて、


私に教えてくれる役割を
柴犬うみは、

果たしてはくれませんでした。


私と一緒で、夜は

ぐっすり寝るタイプでした。


柴犬うみには、番犬の適性が

ありませんでした。


しかし、意外な才能を

隠し持っていました。


柴犬うみにあった才能とは、

山で見つけた鹿を、

上手に家の庭まで追い込んでくる、

狩りの才能?(本能?)でした。

 


           < 鹿が追い込まれた庭の様子 >

 

ある日。私は仕事の合間に、

庭を見ながらのんびり

休憩していました。


すると、突如、山の方から

3頭の鹿が現れました。


その3頭の鹿たちは、

私が住んでいた家の庭を

エンジン全開!の猛スピードで

ぴょっぴょっぴょっんっと横切り、


疾風のように
駆け抜けて行きました。


私は突然のことに唖然としました。


「今のは一体?
何事なのか?」


と目を白黒させました。


山の中では鹿が大慌てで、本気で

逃げ出さなければならないような

異変が起きているのか?


まさか、山火事なのか?と思い、

不安な気持ちになりました。


庭に突如現れ、一心不乱に

駆け抜けて行った鹿たちは、

それくらい鬼気迫る様子でした。


ついさっきまで、穏やかで、

平和だった私の休憩時間が、


緊急事態がそこまで迫っている

ような雰囲気に、一瞬にして

ガラッと変わってしまいました。


私がそんな思いになって、

心配顔をしていると、

鹿が飛び出してきた山の方から、


ハァッハァッハァッと

息を切らせながら、

タッタッタッタッタと、

一匹の犬が駆けてきました。


柴犬うみでした。


さっき、私の目の前を

大慌てで駆け抜けて行った

3頭の鹿たちは、


鹿に較べると、
随分と小さな

柴犬うみに追いかけられて、


逃げ回っている途中の

鹿たちでした。

 

柴犬うみ、鹿と対決
  < 柴犬うみが鹿と対決している様子 >

 

私は柴犬うみを飼い始めた

ことをきかっけに、

犬に興味を持つようになっていました。


犬の本来の生態に詳しくなろうと思い、

1冊の本をアマゾンで購入しました。


その本の題名は

「オオカミの群れと暮らした男」です。

 

狼の群れと暮らした男・画像
           引用:amazon様

 

その本の粗筋です。


とある、アメリカ軍の特殊部隊で

ありとあらゆるサバイバル術を

身に付けた男性が主人公です。


アメリカのとある山岳地帯にある

オオカミ保護区では

オオカミの群れが暮らしていました。


主人公の男性が、

そのオオカミの群れから、

群れの一員として認められ、


一緒に暮らした実話が

紹介されている本です。


その本の中に野生の犬

狩りの仕方が紹介されていました。


犬の狩りの仕方とは、

以下のような方法でした。


体が軽く、走るスピードが早い

雌(めす)の犬が獲物を追いかける役。


体が大きく力が強い雄(おす)の犬が、

雌(めす)が追いかけている

獲物を待ち伏せ、仕留める役。


この雌と雄の犬の連携プレーで

獲物を仕留め、狩りを成功させるのが

野生の犬の狩りの仕方だと

紹介されていました。


つまり、


雌(めす)の犬が獲物を追いかけ、

雄(おす)の犬が待ち伏せしている

ところまで、獲物を追い込むことが、

野生の犬の狩りの仕方です。

 

雪の中を行く柴犬うみ
  < 雪の中を行く、柴犬うみ >

 

柴犬うみが、山で野生の鹿を

見つけて、家の庭まで

追い込んできた行動は、


まさに、この野生の犬の狩りの

仕方なんだと私は理解しました。


自分(=柴犬うみ)が家の庭まで

追い込んできた獲物(=3頭の鹿)を、


私(=人間の雄(おす))が

仕留めることを期待して(?)、


柴犬うみは、山からせっせと

鹿の群れ(=3頭の鹿)を

家の庭まで追いこんできたようです。

 

柴犬うみと対決した鹿
    < 柴犬うみとにらみ合っている鹿 >

 

ところが、柴犬うみにとっては

残念なことに、私には、


その柴犬うみが一生懸命、

山から家の庭まで追い込んできた、

全力疾走する大迫力の鹿たちを


仕留める心の準備が

全くできていませんでした。


突如目の前に降って湧いたように現れ、

血相を変えて、猛然と庭を駆け抜けていく

その3頭の鹿にびっくり仰天して、

ただ、ただ唖然とするばかりでした。


呆然としたまま、

目の前を猛スピードで駆け抜けて行く

鹿たちの姿を見送ることしか

出来ませんでした。


夜は私と一緒にぐっすりと

眠りこけていて、


家のすぐ真裏にある田畑に近づく

野生動物の気配に全く気が付かない

柴犬うみでしたが、


狩りの能力はとっても

優秀なことを知りました。


私は、柴犬うみについては、

ただの「かわいいお座敷犬」

だと思っていました。


そんな私の印象を大きく裏切る

柴犬うみの活躍に私は驚きました。


誰に教わったわけでもないだろうに、

自然と発揮されている

柴犬うみの狩りの才能は凄い!と

思いました。


3頭の鹿たちを、群れではなく

ただ一匹で追いかけ続けて、


山のどこからか、

家の庭まで正確に追いたてながら

誘導したのは、

本当にスゴいと思いました。


お座敷柴犬うみにも

脈々と受け継がれている

野生の力を見た思いがしました。

 

柴犬うみの雪の上であくび
    < 雪の上であくびする柴犬うみ >

 

こんな具合に、柴犬うみが

庭に鹿たちを追いこんでくることは、

この1度では終わらず、

私が知っているのがもう一度。

 

庭の池に落ちた鹿
 < 柴犬うみに追い込まれ、庭の池に落ちた鹿 >

 

近所の人が目撃したことが

、2度ありました。


他に、誰も見てない時にも

密かにたった一匹での狩りを

楽しんでいたかも知れません。

 

柴犬うみと家

 

4:柴犬うみは母親になる

 

柴犬うみは、2度の出産で、

合計5匹の子犬を産みました。



   < 1度目の出産の子犬と柴犬うみ >

 

子犬と遊ぶ柴犬うみ
  < 子犬たちと遊ぶ柴犬うみ >

 

柴犬うみの子犬たちは

それぞれ、里親さんのところで

元気に過ごしています。

 

2度目の出産。柴犬うみ
  < 2度目の出産の子犬と柴犬うみ >

 

子犬と柴犬うみ
 < 子犬と柴犬うみ >

 

柴犬うみは、どこに行くのにも

私と一緒なので、


北は私の実家の東北秋田まで、

南は、私がかつて農業修行していた

熊本阿蘇まで旅したことがあります。


柴犬うみが、京都市の

動物愛護センターで

私と初めてであった時には、

4~6才だったようです。


今では、14才~16才となり、

柴犬としては高齢の域に

入っています。


すっかりおばあちゃんですね。


柴犬うみはまだまだ元気です。


残りの日々も、私と共に、

元気に過ごしてもらえれば

と思っています。

 

山で遠く見つめる柴犬うみ
   < 丹波地方の山の上から景色を眺める柴犬うみ >

 

< おわり >

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