2:家族の記憶は遺伝する?

 

今回は、私達の深層心理で「家族の記憶」が

共鳴・共有される仕組みについて、

これまでより具体的に解説させて頂きます。


心理カウンセラー

長谷川 貴士です。

 

  • 遺伝子が「家族の記憶」を運ぶ?
  • 私達の心と身体は両親のコピー?
  • 「家族の記憶」は思い出せない



柴犬うみと花のイラスト

 

1:遺伝子が
「家族の記憶」を運ぶ?

 

私達の深層心理で

「家族の記憶」が共鳴・共有される

仕組みの一つに、

「記憶を運ぶ遺伝子」

存在があります。


「記憶を運ぶ遺伝子」について

分子生物学者の福岡伸一先生が

書かれている記事の内容を

紹介させて頂きます。


【 福岡伸一 先生 】
67万部のベストセラーとなった
『生物と無生物のあいだ』の著者
様々なメディアで活躍中
青山学院大学教授



< 福岡伸一先生のFBから
お借りした福岡先生写真 >

 

《 雑誌「ソトコト」
  コラム「生命浮遊」より》
   

<記事の内容ここから>

アメリカ・エモリー大学の研究チームは
次のような実験を行い、
2013年12月1日に論文を発表した。

※エモリー大学・1836年設立の
 アメリカの名門大学
 世界大学ランキングでは
 日本の京都大学と同じぐらいの順位


エモリ―大学画像
<エモリ―大学・米国で屈指の名門伝統校>

 

【 実験の内容 】

マウスにサクラの花の匂いを嗅がせる。
その直後、電流を流して、
マウスにびりっと電気ショックを与える。
これを何度か繰り返し行う。

【 実験の結果 】

するとマウスは、桜の花の匂いがすると
自分が痛い目(電気ショック)
にあうことを憶えて、

桜の花の匂いがすると、
「条件反射」で身をすくめるようになる。

【 考えられること 】

このときマウスの
脳の中では何が起きていると
考えられるだろうか。

本来、桜の花の匂いと、
電気ショックとの間には
何の関係もない。

しかし、この実験では、マウスは、
桜の花の匂いと電気ショックに関係が

あることを「学習」させられ、覚えた。

つまり、マウスに桜の花の匂いと
電流の痛みについての「記憶」が
作られたわけである。

【 さらなる実験 】

この「記憶」が作られたマウスの
子供と、孫の行動を調べたところ
意外なことが判明した。

このマウスの子孫たちに対して、
同じように桜の花の匂いを
かがせたあと、電気ショックを
与えるという実験を行ってみた。

【 実験の結果 】

すると、親の世代のマウスよりも、
桜の花の匂いへの反応が
ずっと敏感になっていることが
発見された。

子孫のマウスたちは、
親の世代のマウスが、
反応しなかったような
薄い濃度の桜の花の匂いにも、
おびえるようになっていた。

【 さらに実験 】

この子供世代、孫世代のマウスに、
桜の花の匂いではなく、
他の匂いとともに電気ショックを
与える実験を行った。

【 実験の結果 】

すると、子供世代、孫世代のマウスは、
(桜の花以外の匂いには
 おびえることは無く)
桜の花の匂いに対してだけ敏感に
反応を示し、おびえることがわかった。

【 さらに、さらに実験 】

さらに、桜の花の匂いと
電気ショックが関連している
ことを覚えさせ、
「記憶」を作った
父親マウスの精子を採取し、

その精子を使って
その「記憶」を作ってない
母親マウスに人工授精を行った。

この人工授精によって生まれた
子供世代にも桜の花の匂いと
電気ショックの実験を行った。

【 実験の結果 】

するとやはり、この子供世代の
マウスも桜の花の匂いに対して
おびえる反応が、
より敏感になっていた。

ここがポイント!

 

【 考えられること 】

つまり、父親からの
精子のDNA(遺伝子)は
「記憶」を運んでいるようだ

この実験の結果について、
極めて端的にいえば、
「記憶」は遺伝する

この驚くべきことが
示されたのである。

<記事の内容紹介ここまで>


この「記憶を運ぶ遺伝子」の存在が

私達の深層心理で「家族の記憶」が

共有されている仕組みの一つだと

考えています。


この「記憶を運ぶ遺伝子」

の存在の他にも、


私達の深層心理で「家族の記憶」が

共鳴・共有される仕組みが

あると私は考えています。


それについても

解説させて頂きます。


柴犬うみと竹


2:私達の心と身体は
  両親のコピー?


私達の体は、もともとは、

母親の1個の細胞でした。


その母親の特別な一個の細胞に

父親の精子が出会って、

新しい「命」が始まりました。


そして、初めは、母親の

たった1個の細胞だったものが、


やがて40~60兆個ぐらいまでに増殖して、

その細胞たちが共生して調和を保って

いるのが今の私達の姿です。


このように、実は、

私達の「体」は母親のコピーです


お母さんは、子供に対して

親近感が強いことが多くあります。


親近感が強すぎるあまり、

子供との心理的な境界線が

あいまいになっていることも

見受けられます。


それも、そのはずで子供の体は、

お母さんの「体」のコピーだからです。


お母さんが、子供と自分の区別が

心理的にあいまいになってしまうことも

不思議なことではありません。


お母さんの体の中にある

特別な一つの細胞(卵細胞)に

精子を通して、お父さんからの

情報が宿り「命」となると

考えられています。


私達は母親のコピーの「体」に

父親の「情報」のコピーを宿した存在です。


そして、私達の両親もまた、

その母親(=祖母)からコピーされた体に

父親(=祖父)の情報が宿された存在です。


つまり、私達は、ルーツの女性から

コピーが繰り返され続けてきている「体」


ルーツの男性から受け継がれ続けてきている

「情報」を宿した存在です。

ですから、

私達と両親とルーツの方々は、

コピーを繰り返してきた

とても近い存在です。

家族のイラスト2


この私たちと両親、ルーツとの

存在としての特別な「近さ」に、


遺伝子以外の理由で

両親や、ルーツが経験した

「家族の記憶」が共鳴・共有される

仕組みがあるのではないかと

私は考えています。

 

柴犬うみと草

 

3:「家族の記憶」は
思い出せない

 

前述のように、私達は、「遺伝子」や

存在としての特別な「近さ」によって


両親やルーツから「家族の記憶」

受け継いでいると私は考えています。


「家族の記憶」は、

私達の意識が届かない

深層心理で「共鳴」しているために、


「家族の記憶」は、

自分の意志では思い出す

ことができません。


しかし、自分では

思い出すことが出来なくとも、


私達は「家族の記憶」との

「共鳴」によって、


自分では理由が分からない、

衝動や感覚、感情に

とらわれてしまったり、


本来の自分を失って

しまうことがあります。


そのような事例を、

カウンセリングを通して

お客様と向き合うことで

沢山見てきました。

 

柴犬うみと家

 

< 例です >


引っ込み思案で、

人が苦手で、

生きづらさを抱えてきた

女性のお客様のケース。


その女性の母親の妹が

子供の頃に病気で亡くなって

しまっていたことが

まだ癒されていない

「家族の記憶」となっており


女性の深層心理の中で

共鳴していました。


そのために、

女性の心の中には、

お葬式のような重苦しさや、

子供を失った祖父母の思い。


妹を失った母の思い。


このような

「家族の記憶」との

共鳴がありました。


そして、亡くなった

叔母と自分との境遇の差に

ついての罪悪感も感じていました。


このために、元気が出なくなり、

自分への自信も失っていました。


しかし、この

「家族の記憶」との

共鳴を消去してからは、

この女性は全く新しい

自分になることができました。


人が苦手でなくなり、

あきらめていた、

子供の頃からの夢に向かって、

元気に1っ歩を踏み出すことが

出来ました。


本来の自分にあった、

活き活きとした元気の良さと

明るい笑顔を取り戻す

ことができました。


< 事例ここまで >


私達に遺伝子等を通して

受け継がれている

「家族の記憶」には、

上記の事例のような作用もあります。


それでは、次回は、

上記の事例のように

「家族の記憶」との

共鳴を消去することは、

自分も家族もより

幸せになるチャンス


このことについて、より詳しく

解説させて頂きます。

次回もお楽しみに!(^^)/

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