7:私達を縛る心のルールを手放す

 

今回は、私のカウンセリングを

モニター利用して下さった、

「Nさん(大阪府在住・45才・女性)」

before after をお伝えする

第7回目の記事です。

 

※1回目の記事は

こちらから←クリック

 

心理カウンセラー
 長谷川 貴士です。

 

  • 心理カウンセリングには
    人生を変えるチャンスがある
  • 「私は怒ってはいけない」
    という深層心理のルール
  • お祖母さんへの愛のために
    40年以上耐え続ける
  • 子供の盲目的な愛が
    自ら犠牲を差し出す
  • 「ルール」を手放した後の
    解放感と平和な憩いの気分

 

柴犬うみと花のイラスト


1:心理カウンセリングには
人生を変えるチャンスがある

 

私たちは、心の奥にある

深層心理の内に、

自ら作り上げた、

沢山の「ルール」を抱えています。


その深層心理に抱える

「ルール」に縛られています。


そのために、

自由が無くなり、

柔軟性が無くなり、

衝動的になってしまい、


人生が不思議なほど

うまくいかなくなります。


同じ失敗や、

同じ苦しい状況を

繰り返し経験します。


深層心理の「ルール」に

とらわれてしまい、

前に進めなくなっています。


深層心理にある

「ルール」とは、

自分では見ることは出来ず、

気付くことも難しい

無意識の「ルール」です。


しかし、自分の行動を

解釈や意味付けをせずに、

客観的な立場で、

振り返ってみることで、


その無自覚の

「ルール」は姿を表します。


つまり、

「あんなことをしたのは、

 あのせいだ」とか、


「こんなことになったのは、

 この理由があったせいだろう」


とか推測したり、

原因を考えたりしない時に、


初めて見つけることが

できる「ルール」です。


多く場合、人生で同じ失敗や、

同じような状況が繰り返される時、

私たちはそれを、不運や運命、

性格や個性のせいにしがちです。


「(私の)人生とは

 こんなものだよね」


「私はこんな昔から

 こんな性格だから、

 仕方ないんだよね。」


こう、思うことで、

自分を納得させられる

時もあります。


しかし、そうだとしても、

不満足な、変わらない人生が

続いていきます。


そのような生き方も、

一つの選択肢だと思います。


しかし、別の生き方を

選ぶこともできます。


自分の深層心理にある

「ルール」を手放すことで、

これまでの人生とは

「違う人生」を

作り出すことができます。


心理カウンセリングを

利用することは、

そのためのチャンスを

手にする機会です。


私はカウンセリングを通して、

お客様が、深層心理にある

「ルール」を手放して、

本来の自分の人生を取り戻す

ことをサポートさせて

頂いてきました。

 

◆  ◆  ◆

 

今回、ご紹介させて頂いている

Nさんの事例も、その1例です。


それでは、

私が提供させて頂いている、

カウンセリングを

利用することで、


「これまでとは違う人生」を

作り出すチャンスを得て、


そのチャンスを生かし、

自らの人生に数々の

「違い」を作り出された

Nさんの事例について紹介する

連載の7回目をお送りいたします。

 

< 前回(6回目)の記事のこと >

 

Nさんは、通算4回目の、

カウンセリングを

利用された結果、

45歳での遅い反抗期を

経験されました。


その45歳のNさんに訪れた

反抗期は、10日程で

過ぎ去りました。


その反抗期の後で、Nさんは、

両親と、同じ大人として

穏かに向き合うことが

出来るようになられました。


Nさんは、また、一つ、

人生に変化と穏やかさを

手に入れられていました。


これが、前回(6回目)に

ご紹介させて頂いた、

Nさんの歩みでした。


Nさんは、その、4回目の

カウンセリングの利用から、

約2か月後の【 2015年2月】に

5回目 のカウンセリングを

利用してくださいました。

 

柴犬うみと竹


2:「私は怒ってはいけない」
という深層心理のルール

 

【 5回目のカウンセリング 】


Nさんから頂いたテーマは

<怒ってはいけない>でした。


Nさんは、怒れない自分、

いじめられも、嫌味を

言われても、怒ることも、

言い返すこともできない。


この自分を自覚されていました。


そして、そのことが、

Nさんの人生の中で

大きなストレスと

なっていました。


そのNさんの今回のテーマに
沿って、

カウンセリングを進めて行くと、


Nさんが自分に

怒ることを禁止していた裏には、


「怒ることや、

 自分の意見を言うことで、

 私は人から嫌われてはいけない」


この深層心理の「ルール」が

強く働いていることが分かりました。


この「ルール」だけを

見るならば、怒って、

かんしゃくを起こして、

人に不快感を与えたり、

迷惑をかけて、

嫌われることはしない方が良い。


だから、良い「ルール」
なのでは?

とも思えます。


しかし、

「怒ることや、自分の意見を言う」

ことを自分に

禁止するルールが、


「深層心理の「ルール」

となっていると、


「怒ることや、自分の意見を言う」

ことが、ほぼ100%

出来なくなってしまいます。


その結果、

耐えること、我慢すること

ばかりが多くなります。


怒りや、言えなかった

思いや、意見で、


心も体もパンパンに

ふくれあがってしまいます。


やがて、それが風船の

ように破裂した時に、


「怒る」でも

「意見を言う」

「思いを伝える」でもなく、

「切れて」しまい、

大声で怒鳴ったり、暴れたり、


泣き叫び続けたり、

してしまいます。


心理の観点から見ると、

「怒る」ことと

「切れる」こととは、

全くの別の種類の反応です。


「切れる」とは、

自分の思いを

分かってもらえなかった

「悲しみ」の爆発です。

「怒り」とは別の感情です。


「怒る」ことを自分に禁止する

「ルール」を深層心理に抱えてきた

Nさんは、40年以上の間、

このような心理状態で

生きて来られていました。


「怒れず」「意見を言えず」

表現できなかった「怒り」や

言えなかった「思い」で


心も体もパンパンに

ふくれあがった

状態にありました。

 

◆  ◆  ◆

 

それでは、なぜ?Nさんは、


「怒ることで、私は人から

 嫌われてはいけない」


この「ルール」を40年以上、

深層心理で、固く握りしめている

必要があったのでしょうか?


その理由は、

その「ルール」が、

Nさんの

「家族に流れる厳格なルール」

だから、でした。


このことが

カウンセリングを通して

見えてきました。


「家族に流れるルール」を

破ることは、

深層心理の中では、


家族の中に居場所を

失うことを意味します。


組織の掟(ルール)を

破ったものは、

そのグループの中には

居られない。


このような感覚が、
私達の

深層心理の中にはあります。


このために、

「家族ルール」を破ることは、


自分の一番大切な場所を

失うことになるような

怖さや不安を感じます。


それと同時に

とても大きな罪を犯すような

怖さや不安も覚えます。


ですから、Nさんにとっては、

「怒る」ことは、

自分が家族から追放され、

両親や一族との絆を失うこと。


この思いと

直結していました。


このために「怒れない人」と

なってしまったNさんは、

自分を不当に扱う人達からの

理不尽な仕打ちを

はねのける方法を失っていました。


「怒る」ことで、

自分で自分の身を守るという

選択肢を失っていました。


そして、我慢と、忍耐だけが

人生となっていました。


両手を縛られた状態で、

世間に向き合っている

ような感じです。

 

その結果が、Nさんが

自覚されていた状態としては、


過度な自信のなさ、

不平や不満、
 小言や恨みごとの多さ、

職場や、趣味のグループなど、
  どこに居ても、
  必ず、いじめられたり、
  不快な思いをさせられる。

 

このような状態として、

表れてきていました。

 

ここがポイント!

 

 

3:お祖母さんへの愛のために
40年以上耐え続ける

 

Nさんがそのような

不自由で苦しい状態であっても、


40年以上に渡って、

「怒ることで人に

 嫌われてはいけない」


この家族に流れるルール

に従ってきた理由は、


Nさんの深層心理にあった

お祖母さんへのでした。


カウンセリングを通して

明らかになった、

Nさんが深層心理で

受け取っていた、


Nさんのお祖母さんから

のメッセージは、


「私(祖母)はたくさんの

 関係性を失って来た。

 あなたは(関係性を)

 失ってはいけない」


これでした。


Nさんの母方のお祖母さんは、

Nさんのお母さんを妊娠中に、

旦那さん(Nさんのお祖父さん)が

戦地から帰らぬ人となりました。


そして、

二男(Nさんの母の兄)を

幼少期に起きた

水の事故で失います。


このような経験を持つ

お祖母さんからの、


「私(祖母)はたくさんの

 関係性を失って来た。

 あなたは(関係性を)

 失ってはいけない。」


このメッセージは、

Nさんにとって強烈な

意味を持ちました。


Nさんの深層心理の中には

以下のような思いが根差して

いました。


「このお祖母さんからの

 メッセージを「ルール」として

 固く握りしめ、守り抜くことで、

 お祖母さんを言いつけを

 しっかりと守るいい子として、

 お祖母さんを喜ばせることが

 出来るはずだ。


 それが、

 つらい経験を重ねてきた、

 お祖母さんを元気づけるために

 私(Nさん)ができる

 数少ないことだ。」


この思いのために、Nさんにとって

「関係性」を失わないことが

深層心理の厳格な「ルール」と

なっていました。


Nさんの深層心理では、

この「ルール」を破ることは、

つらい人生を背負ってきた

お祖母さんを

私(Nさん)がさらに傷付けて

しまう感じがします。


この仕組みを

深層心理に抱えていた

Nさんにとっては、

例え、理不尽な仕打ちを

してくる嫌な人であろうとも、


そのことに

「怒って」しまうことで、


その人との関係性が失われる、

関係性が切れてしまうことは、

とても「怖ろしいこと」のように

感じられていました。


また、同時に、事情があり、

関係が失われてしまうことがあると、

そのことに、理屈に合わない、

強烈な「罪悪感」を

生み出されていました。


このために、

いじめられても、

嫌味を言われても、


「怒る」ことや、

「言い返す」ことが

出来なくなって

しまっていました。


その結果、Nさんは

自分に自信を失い、

「忍従こそが自分の人生。」


この思いで生きて行くことが

40年以上続いてきていました。


これが、Nさんから

お祖母さんへの

盲目的な「愛」の結果でした。

 

柴犬うみと草

 

4:子供の盲目的な愛が
自ら犠牲を差し出す

 

Nさんが抱えていた

お祖母さんへの愛は

「盲目的な愛」でした。


それは、言わば

「子供の愛」とも言えます。


「子供」は家族を愛しています。


そして、「子供」は

その愛のために、


家族の苦境や、

余裕の無さに触れると、

自分も家族に協力したい、

家族の助けになりたいと望みます。


しかし、小さな「子供」には、

実際に出来る事は多くありません。


このために、「子供」は

自分が家族の助けには、

十分になれないことに

「罪悪感」を抱きます。


そして、この「罪悪感」から

「自己処罰」めいた「ルール」を

自分の深層心理の中に作ります。


その「ルール」で自分を縛ることで、

自分に「罰」を与えます。


その「自己処罰」を、

家族を十分に助けられないことへの

償いや埋め合わせとします。


この仕組みが、「子供」の

家族への「愛」の証明です。


しかし、これは、

「子供」の「犠牲の愛」です。


この「犠牲の愛」を

心から、快く受け取れる人は

いるでしょうか?


いません。


それが、自分の子供や、

孫であれば、

なおのことそうです。


自分の子供や、孫の

「犠牲」によって作られたものを

心の底から、素直に喜んで受け

取ることができる両親や

祖父母はいません。


しかし、力の無い存在である

小さな「子供」は、

「犠牲の愛」の他に

自分が家族にしてあげられる

ことは何も無い、そう感じます。


ここにあるアンバランスが、

多くの心理的課題の中心であり、

根本原因です。


この深層心理に抱える

アンバランスを解消することの

サポートが

心理カウンセリングです。

 

柴犬うみと家

 

5:「ルール」を手放した後の
解放感と平和な憩いの気分

 

Nさんとの5回目の

カウンセリングでは、

Nさんは、

自分の深層心理にあった


「怒ることや、

自分の意見を言うことで、

私は人から嫌われてはいけない。」


この「ルール」を

手放すことができました。


(イスで見立てた)

お祖母さんを含め、家族に


「私には好き嫌いがあっても良い。

 私は怒っても良い。

 それは自然なことです。」


この言葉がスッキリと抵抗なく

宣言できるところまでたどり着きました。


お祖母さんから

Nさんの深層心理への

メッセージであった


「私(祖母)はたくさんの

 関係性を失って来た。

 あなたは(関係性を)

 失ってはいけない。」


この言葉は、

本当にはNさんに

「犠牲の愛」を強いるものでは

ありませんでした。


上の言葉は、本当には、

お祖母さんが経験された、

人生の中から滲み出た、

孫(Nさん)の幸せを

願う言葉でした。


Nさんが、

カウンセリングを通して、

そのことに気が付いた時、


Nさんが深層心理に抱えていた、

盲目的な子供の愛によって、

作り出されていた「ルール」は

溶けて流れ去りました。


そして、Nさんは、

今回の5回目の

カウンセリングでも、


また一つ、自分の自然な感情や

感覚(好き・嫌い)について、

素直に感じることを自分に

許すことができました。


このような一歩一歩の

歩みによって、

私たちは、本来の自分、素直さや、

自然さを取り戻して行きます。

 

草原の道


 

また、同時に

深層心理の「ルール」を

一つ、一つ、手放すことで、


自分がその「ルール」を

守れているか?

破っていないか? という、

自己監視をし続けることの窮屈さや、

自己規制も終わります。


その時に、私達は、解放感や、

自由な感じを手に入れます。


そして何か困難な仕事を

やり終えた後に訪れる、

平和な憩いの気分が感じられます。


これが、心理カウンセリングの

サポートを利用して、

一つ、一つ、心の課題を解消

していくことの意味です。


5回目のカウンセリングを

終えられたあとのNさんの顔には、

スッキリとした感じの中に

優しい穏やかさがありました。

 

・・・つづく

 

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6:悩みの【真の原因】を解消する

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