7:心配が止められない4つの原因と解消方法
【カウンセラー長谷川】:
心配や不安になる考えが
止められない時って
暗く重たい気分になって
何も手につかなくなるよ
【柴犬うみ】:
人間ってそうなんだ。
あたしは柴犬だから、
先のことを心配することは
ないから分からないなぁ
先のことを考え始めると
不安でたまらない。
心配事について、
考えることを止めたいのに、
止めることが出来ない。
1日中同じことを考え続けてしまい、
気持ちが晴れない。
このような考え癖があると、
とても生きづらいですね。
上記のような考え癖が
止められない時、
私たちの心の中(深層心理)には、
「怖れ」や「不安感」が過剰になって、
あふれてしまっています。
心理カウンセラー
長谷川 貴士です。
- 心配が止められない
4つの原因 - 過剰な心配をやめるための
4つの解消方法 - 過剰な心配を解消する時に
気を付ける2つのポイント - 不安や怖れへの
対処療法について
1:心配が止められない
4つの原因
私たちが不安や怖れ、心配を
息苦しくなる程、
強く感じてしまう事柄は、
人それぞれ様々にあります。
< 不安、怖れ、心配を
強く感じる事柄の例 >
- お金のこと
- 恋愛の行方
- 子供のこと
- ラインやメールの内容
- 身近な人間関係
- 仕事の先行き
- 大雨や地震などの自然災害
- 社会の動向や政治
- 地球環境 など
上記の例にあるような事柄を
考え始めると、不安になり、
怖くてたまらなくなる。
不安や怖さで心が一杯に
なってしまうと、
心配が増して苦しくなることを
考え続けることが止められない。
◆ ◆ ◆
私たちの心が不安や怖さで
一杯になってしまっている時、
上記のような考え癖が
出てしまうことは、
心理の観点からは自然な
心の働きです。
私たちの心は、
先(末来)のことを考えると、
「怖さ」や「不安感」が
出て来るように出来ています。
先(末来)のことに対して、
「怖さ」や「不安感」が
出て来ることで、
私たちは先(末来)のことに対して、
備えや、準備を始め易くなります。
先(末来)に予測される、
危険や、困難に対して、
備えや、準備ができることで、
先(末来)に予測された
危険や、困難を乗り越え易くなります。
危険や、困難が
乗り越え易くなることで、
大げさに言えば、
生き延びられる確率が上がります。
私たちが、先(末来)のことを
考えると出て来る
「怖さ」や「不安感」は、
私たちの生存本能に根差した
大切な心の働きです。
しかし、「怖さ」や「不安感」が
大きすぎて、過剰だと、
「苦しくなる心配事について、
考えることを止めたいのに、
止めることが出来ない。」
「1日中同じことを
考え続けてしまい、
気持ちが晴れない。」
このような生きづらさの
原因になります。
私たちの「怖さ」や「不安感」が、
大きくなり過ぎてしまう原因は、
自分で考えても気づくことが
出来ない心の部分である、
深層心理にあることがあります。
私たちの「怖さ」や「不安感」が
大きくなり過ぎてしまう原因を、
カウンセリングで探ってみると、
その原因は人それぞれに
様々な理由があります。
しかし、その原因を
大きく分類するならば、
不安や怖さで心が一杯に
なってしまい、
考え続けることが
止められなくなる
深層心理にある原因は、
主に以下の4通りに
分類することができます
< 深層心理にある原因 >
<1> トラウマ体験
過去に経験したトラウマ体験が
十分に癒されていないために、
心の中に、「怖さ」や
「不安感」が残り、たまっている。
そのために、
「怖さ」や「不安感」が
常に心の背景に
広がっている状態があり、
「怖さ」や「不安感」に、過剰に
反応し易い心の状態になっている。
============
<2> 母親との葛藤
母親との間に葛藤や、
心の溝があり、
母親との心理的な親しさが少ない。
そのために、心の基本的な
安心感が不足しがちで、
「怖さ」や「不安感」を強く
感じ易い心の状態になっている。
============
<3> 父親との葛藤
父親との間に葛藤や、
心の溝があり、
父親との心理的な親しさが少ない。
そのために、自分への
信頼感(=自信)が不足しがちで、
未知なもの
(=将来や、人の反応、新しい挑戦など)
に対して、「怖さ」や「不安感」を強く
感じ易い心の状態になっている。
============
<4>「怒り」の感情の抑制
怒ることができない性格のために、
ガマンしがちで、「怒り」の感情を
心の中に溜め込んでしまっている。
心の中に溜め込まれた「怒り」は
常に出口を探しています。
しかし、怒ることが出来ないと、
心の中に溜め込まれている
「怒り」の感情が、
別の感情として
出て来ることがあります。
「怒る」代わりに出て来る、
別の感情として、
「怖さ」や「不安感」が
出てきてしまい、
心配なことばかりを
考え続けてしまうことがあります。
自分が心配に思っていることや、
「怖さ」や「不安感」を
周囲に伝える(訴える)ことで、
心に抱えている「怒り」を表現し、
周囲に伝えようとします。
2:過剰な心配をやめるための
4つの解消方法
私たちが、「怖さ」や「不安感」で
心が一杯になってしまい、
心配になることを考え続けてしまう
主な4種類の原因を解消する方法は、
以下の4通りです。
< 原因の解消方法 >
<1> トラウマを癒す
強い恐れや不安と結び付いている
トラウマや過去の体験を癒す。
心が癒されることで、
不安や恐れなどの感覚が
過剰に大きくなることが無くなり、
必要以上に心配になる
悪い想像をしなくなる。
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<2> 母親への親しみ
母親との間にある
心理的葛藤を手放し、
心にある母親との溝を埋める。
母親との心理的な親しさ
を増やすことで、
心の基本的な安心感が増え、
「怖さ」や「不安感」を
過剰に大きく感じてしまう
心の状態が無くなる。
============
<3> 父親への親しみ
父親との間にある
心理的葛藤を手放し、
心にある父親との溝を埋める。
父親との心理的な親しさ
を増やすことで、
本来ある自分の力や
大人としての対応力が
取り戻されることで、
自分への信頼感(自信)が増す。
そのことで、未知なもの
(=将来や、人の反応、新しい挑戦など)
に対して、「怖さ」や「不安感」を
強く感じ易い心の状態が無くなる。
============
<4>「怒り」の感情を
使うことを自分に許可する
怒ることができない性格に
なってしまっている
心の理由を解消して、
「怒り」の感情を過剰にガマン
し続けてしまう自分を変える。
他人も自分も傷つけない、
適切な方法で「怒り」の感情を
表現できるようになることで、
「怒り」を別の感情として
表現する必要がなくなり、
「怒る」代わりに出て来ていた、
「怖さ」や「不安感」が無くなる。
3:過剰な心配を解消する時に
気を付ける2つのポイント
上記の4つの解決方法の
プロセスを進めて行く時に、
気を付ける必要がある、
心理のポイントが2つあります。
その2つのポイントとは、
(1)家族連鎖
(2)家族の「記憶」
この2つです。
============
(1)家族連鎖とは?
簡単にお伝えすると、
父や母の悪いクセを、
気が付けば、子供が引き継いで
同じことをしてしまう。
そのようなことです。
< 例 >
母が、母の母(祖母)と仲が悪く、
心理的な親しさが乏しい。
母の娘も、母と仲が悪く、
心理的な親しさが乏しい。
母と娘の仲が悪くなることが
「家族連鎖」している。
( 例ここまで )
私たちが、「怖さ」や「不安感」で
心が一杯になってしまい、
心配になることを考え続ける
心の状態になってしまう原因に、
「家族連鎖」の仕組みが
関連していることがあります。
※家族連鎖については、
以下の記事でも
解説させて頂いています。
============
(2)家族の「記憶」とは?
私たちは深層心理に
家族の「記憶」を抱えています。
<深層心理に家族の
「記憶」を抱えているとは?>
自分の人生にトラウマ体験や
両親との葛藤がなくとも、
自分の家族(両親、祖父母など)に
トラウマ体験や
両親との葛藤があった場合には、
私たちの心は、
その家族が経験したことの
「記憶」(=トラウマ体験や
両親との葛藤など)の
影響と無縁ではありません。
「記憶」の影響とは、具体的には、
ある時から、
何もきっかけが無くとも、
急に気分がふさぎがちに
なってしまうことや、
他人からすると、ささいなことでも、
理由なく、強く怖さや、嫌悪感、怒り
などの感情を感じてしまう、
などの影響があります。
※家族の「記憶」については、
以下の記事でも
解説させて頂いています。
(深層心理に家族の
「記憶」を抱えているとは?
の解説ここまで)
◆ ◆ ◆
私たちは、深層心理に
家族の「記憶」抱えている
ことの影響のために、
自分に理由がなくとも、
過剰に不安になったり、
過剰に怖さを感じてしまう
ことがあります。
私たちに、過剰な怖れや
不安感が感じられていて、
先のことを考え始めると
不安でたまらない。
考えることを止めたいのに、
止めることが出来ない。
1日中同じことを考え続けて
しまい、気持ちが晴れない。
このような症状が出ている時、
症状の原因となっていて、
解消することが望まれる
心理の課題は、
私たちが思い出せる
記憶の範囲には
無いことがあります。
症状の原因となっていて、
解消することが望まれる
心理の課題が
思い出せる記憶ではなく、
「家族連鎖」の仕組みや、
「家族の記憶」に
あることも少なくありません。
つまり、いくら頭で考えても、
原因が分からない。
こんなことも多いです。
頭で考えて原因を
解明しようとするならば、
心の課題が余計に
こんがらがって、
課題がより難しいものに
なってしまうこともしばしばです。
「先のことを考え始めると
不安でたまらない。」
「考えることを止めたいのに、
止めることが出来ない。」
「1日中同じことを考え続けてしまい、
気持ちが晴れない。」
このような心の状態にある方を
カウンセリングでサポート
させて頂く時には、
上記の2つのポイント
(1)家族連鎖
(2)家族の「記憶」
こちらが原因となっている
可能性も検討させて頂いています。
もし、お金や、恋愛、仕事、
将来などに対して、
自分には強すぎる不安があると
感じられている方が
ありましたら、
ぜひ、一度、私の
カウンセリングをご利用下さい。
過剰な不安や怖れの
根本原因からの解消を
サポートさせて頂きます。
4:不安や怖れへの対処療法
過剰な不安感や怖れ、
心配症について、
お一人で悩み続けていると
苦しくなるばかりの時も
あるかと思います。
そんなときの
カンタンな対処療法も
ご紹介しておきますね。
<不安・心配への対処療法>
<1>
不安や心配が実現したときに
起こる可能性のある、
最悪な事態を具体的に考える。
<2>
<1>のことが起こる
確率が何%と予測できるのか、
自分にたずねてみる。
<3>
もし、不安や心配が実現したときには、
自分に何ができるか具体的に考える。
そして、そのための準備を始める。
□ □ □
これは紙に書き出しながら
取り組まれることをおすすめします。
不安や心配を外に出すことで
自分の不安や心配を客観的に
見ることができる効果があります。
最悪の事態を想定することで、
不安や心配が実現した時に
起こることの被害の範囲を
確認することができます。
上記のことで、漠然としていて、
分からないことで生まれていた
怖さや心配、不安が減ります。
(対処療法の紹介ここまで)
この方法は、昔からある、
不安や怖れの感情を緩和させる
伝統的な手法です。
私自身も20年以上
前から活用しています。
不安や怖れが強くなり過ぎて
しまった時には、
ぜひ試してみてください。
しかし、これは、あくまで
対処療法ですので、
自分の心の深層心理から
癒されることで、
不安や心配が過剰に
強くなり過ぎてしまうことを、
根本から解消することを
望まれる方は、
ぜひ、私のカウンセリングを
ご利用下さい。お力になります。
はい、これで、
感情シリーズは終了です。
次回は、感情シリーズを
お読み頂いたことで
得られている学習効果を
高め、定着させることが
できるように、
感情シリーズの
【まとめ】をお送りします。
怒り、悲しみ、恐れ・不安、
私たちにとって
身近なこれらの感情とは
私たちに、どんな力を与えて
くれるものだったのか、
復習してみましょう。
次回もお楽しみに(^^)!
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6:努力しても変われない理由を手放す方法:後編
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>【感情】シリーズの記事はこちらから
私達の癒しと元気の源【感情】(全8回)