1:日本が嫌い!海外に住みたくなる心理の理由
【カウンセラー長谷川】
「私、日本が苦手です。
日本を出て海外で暮らして居た時は
本当に気分が良かったです。
できれば、日本を出て海外で
暮らしていきたいです。」
こう、教えて下さる
お客様は少なくないです
【柴犬うみ】
そうなんだ!あたしは日本生まれの
柴犬だから、日本が大好き
でもなんでなの?
心理カウンセラー
長谷川 貴士です。
日本を出て、海外で暮らすには、
その国のビザや永住権が必要になり、
それは簡単なことではありません。
「日本は嫌!海外で暮らしたい!」
こう願っていても、
そうできないこともあります。
そんな時に、「日本は嫌!」では、
日本に居るだけで毎日ストレスと
なってしまいます。
そこで、「日本は嫌!」と
感じる心理の原因を見つけ、
その原因を解消するサポートを
お客様に提供させて頂くことも
これまでに度々ありました。
では、
「日本は嫌!海外で暮らしたい」
と感じる心理の原因とは
なんなのでしょうか?
その心理の原因は様々にあります。
今回は、その中でも、
特に多くの日本人に共通している
原因について解説させて頂きます。
その原因とは、
「稲作」と「戦争」です。
「稲作」と「戦争」が
日本人の心理にどのような影響を
与えたのか?
そして、その影響が、なぜ?
「日本は嫌!海外で暮らしたい。」と
感じる心理の原因となるのか?
解説させて頂きます。
- 日本が苦手で、海外で
暮らしたくなる心理の理由 - 日本人が、失敗に厳しく
暗い理由 - 日本人が千年以上続けてきた
無理と我慢とは? - 本当はとっても危険な
日本での米作り
1:日本が苦手で、海外で
暮らしたくなる心理の理由
日本が苦手だったので、
日本を出て、海外へ移住された方や
日本が苦手で海外への移住を
希望されている方が教えて下さる
日本が苦手な理由は、
大きく分けると2種類に
分けられると感じています。
【 日本が苦手な理由・1】
海外の方が日本より自分に
合っていて、生き易いと感じた。
【 日本が苦手な理由・2 】
理由は分からないけど、
日本に居たくない。つらい。
この2つです。
それでは、なぜ?
この2つの理由のように
感じてしまうのでしょうか?
その心理的な理由を、お一人、
お一人、個別に見ていくのなら、
それぞれの人にそれぞれの
異なるユニークな理由があります。
そうなのですが、
それでも大きく分けると、
ここでは、3つの心理的な理由に
分けることができると思っています。
< 心理的な理由・1 >
日本人の歴史的な生活習慣が
心理に与えた影響
< 心理的な理由・2 >
日本人の抱える「罪悪感」
< 心理的な理由・3 >
家族、特に母親との
心理的なわだかまり
◆ ◆ ◆
大きく分けると、
日本が苦手だと感じていて、
日本に居たくない人の心理的な
理由は、この3つに分けることが
できると私は思っています。
それでは、まずは、日本を出て、
海外に住みたくなる
心理的な理由の一つ目、
< 心理的な理由・1>
日本人の歴史的な生活習慣が
心理に与えた影響
について解説させて頂きます。
2:日本人が、失敗に厳しく
暗い理由
「自分は海外の方が
合っているように感じた。」
カウンセリングの中で、
こう教えてくださったお客様達に、
その理由を尋ねてみると、
多くのお客様が、
「日本人より海外の人達と
一緒にいる方が気楽で、楽しい」
このように教えてくださりました。
このことからは、日本と較べて、
海外の方が生き易いと感じる方達にとって、
日本人と海外の人達との「人の違い」が
生き易さや、生きにくさの違いを生む
重要な要素であることが分かります。
つまり、
「日本人の中では生きづらい」
と感じる人の中には、
「海外の人達の中で暮らす
方が断然に生き易い」
こう感じられる方がいらっしゃいます。
海外にしばらく滞在・居住してみたところ、
日本に居るときよりほっとできて、
気分が楽になる人達がいらっしゃいますね。
そんな方々が、日本に帰国してみて、
よく思うことの一つに、
以下のことがあります。
「日本人は神経質で
失敗に厳しい。暗い」
それに較べて、
「海外の人はおおらかで明るくて、
前向きで、ほっとできた」
だから、自分は海外の方が
生き易いと思った。
これがあります。
皆さんも、ご自身が
このような感想を持ったことが
あるかもしれませんし、
このような感想を友人や
知人から教えてもらったことも
あるのではないでしょうか?
このような、日本人と海外の
人達との印象の違いが、
「日本は生きづらい。
海外の方が生き易い。」
この感覚が生まれる理由の
一つとしてあるようです。
それでは、前述のような、
日本人と海外の人達との
気質や印象の違いを生む
理由はなんでしょうか?
ヒントは、どのような人が
「神経質で失敗に厳しく、
暗い」人になるのか?
これを想像してみてもらえる
といいかと思います。
どうでしょうか思い付きましたか?
この質問の答えには
いろいろな答えがあって、
正解は一つだけではないと思います。
しかし、その中で、人の心に
向き合い続けてきた、
心理カウンセラーとしての私の答えは、
神経質で失敗に厳しく、
暗い人になるのは、
「辛いことや、嫌なことがあっても、
それを我慢し続けてきた人」
です。
そのような人は、
「神経質で失敗に厳しく暗い」
このような印象の人になり易いです。
これは、主には、以下のような、
3つの心理的な理由のためです。
<3つの心理的な理由>
【 1つ目の理由 】
自分が我慢をして守っている
ルールがあると、そのルールを
他人にも守らせたくなります
【 2つめの理由 】
失敗することを自分が自分に
許せていないと、他人の
失敗も許せなくなります
【 3つ目の理由 】
何に付け、自分が我慢していると、
他人に厳しくなります
◆ ◆ ◆
このような心理的な
理由を持っているとき、
私たちは神経質になります。
その結果、ほがらかで、
素直な笑顔が少なくなり、
笑わない、暗い印象の人に
なってしまいます。
そして、日本人は、
海外の人達と比べると、
この<3つの心理的な理由>
を持っている方が多いために、
「神経質で失敗に厳しく暗い」
こんな印象になってしまいがち
だと私は思っています。
それでは、なぜ?日本人は
このような心理的な理由を
持っているのでしょうか?
それは、日本人は我慢することや、
守らなければならないことが多かった。
こう言えるからです。
なぜ?そう言えるのか。
次の章で、その理由について
解説させて頂きます。
3:日本人が千年以上続けてきた
無理と我慢とは?
多くの日本人は、長い間、
生きることに不利になる
ルールを押し付けられ、
ムリを重ね、我慢を重ねながら
それを守ってきました。
それが心理的理由となり、
(例:自分が我慢していると
他人に厳しくなる、など)
「神経質で失敗に厳しく暗い」
この印象になり易いです。
日本人がムリを重ね、
我慢を重ね守ってきた
ルールは1つだけでは
なかったと思います。
今回は、そのルールの中でも、
日本人の心理への影響が大きく、
特に重大だと、
心理カウンセラーとしての私が
思っているものを
取り上げさせて頂きます。
まず、その一つ目は、日本人の
歴史的な生活習慣になっていたもので、
日本人の生死に関わる
ものすごく重大なことでした。
その重大なこととは、「稲作」です。
つまり、米作りです。
田植えや稲刈りのことです。
まずは、日本人のムリと我慢と、
「稲作」の関係に焦点を当てて解説します。
4:本当はとっても危険な
日本での米作り
多くの日本人にとって、
稲作とは「義務」でした。
日本人は、長い年月、支配者に
押し付けられた「稲作」を、
無理と我慢を重ねながら
続けてきました。
なぜ?そう言えるのか。
それは、実は、
日本は稲(お米)の栽培に
向いている気候ではない。
この事実があります。
日本には、
・水が豊富にある。
・土壌が植物の生育に適している
などの稲の栽培に向いている
良い特徴もあります。
しかし、四季の移ろいがある
日本の気候や温度帯は実は、
稲が栽培できるギリギリの気候や
温度帯なのです。
つまり、もともと四季が無く、
1年中暑い南国の植物である稲を
栽培するには、日本は寒すぎる土地です。
確かに、今では稲の品種改良が進み、
低温に強い稲が選抜され続けてきた結果、
東北地方は稲穂の実り豊かな米所となり、
北海道でもお米が作られていますね。
しかし、この低温に強い品種の開発に
成功したのは明治時代以降のことと
言われています。
低温に強い稲の品種の開発に
成功したとは言っても、
やはり、明治以降の大正や
昭和にも冷害により、
米の大凶作、飢饉が発生しました。
< 例① です>
昭和9年の前後に続いていた
米の大凶作時の秋田県では、
米の収穫が全滅、皆無だった
地域も多かったようです。
そのために、15、6才の少女が
1万人以上(!)、身売りすることが
必要だったことが記録されています。
それが、家族や、少女自身が
生き延びるための唯一の方法
だったのだと思います。
< 例② です>
新しいところでは、
1993年(平成5年)にも、
夏の気温が、例年より2~3度程
低かったことで、冷害となり、
東北地方の米の収穫量は
例年の半分となりました。
これは、平成の米騒動と言われました。
< 例③ です>
私自身も、6年ほど、京都府で
米作りをしていたことがあります。
その時のことです。
たまたまその年は、8月に雨が多く、
冷夏でした。
その年に私が栽培していた稲は、
それほど冷害に強い品種ではありませんでした。
その結果、迎えた収穫期の10月、
お米はほとんど実っていませんでした。
私はその年の2月から始めた
稲の苗作りからの苦労が報われず、
失望し、肩を落としました。
この実体験からも稲が低温に弱く、
「日本の気候・温度ではギリギリ育つ」
この感じが実感として
私はよく分かります。
幸い、私がしていたのは、
趣味の米作りだったので、
がっかりするだけで済みました。
これが、家族の1年間の命が掛かっている
米作りだったらと思うと、冷害、凶作、
飢饉の恐ろしさをまざまざと
想像することができました。
◆ ◆ ◆
日本で米作りをするということは、
やはりこれくらい難しく
リスクが高いことです。
四季のある日本の気候で
米作りをしようと思うなら
この事実が前提としてあります。
この前提のために、
日本での「米作り」は、
(暖房やビニールハウスなどを
使わない、昔の方法なら、)
5月に種まきして、10月に収穫する。
これが日本で米作りができる
ギリギリのスケジュールです。
これ以外のスケジュールでは
稲は育ちません。
お米は実らず、収穫できません。
ですから、日本で米作りをするならば、
時期がきたら、するべき時に、
するべきことを必ずやり終わらなければ、
お米は収穫できません。
日本人の中でも農耕を中心に暮らしてきた
6割ぐらいの日本人は、
この稲作の習慣を5千年(!)くらい
続けてきたようです。
※日本の稲作の歴史に
ついては諸説あります。
私たちの祖先(ルーツ)は、
稲作にまつまわるスケジュールと、
稲作にまつわる膨大なルールを
毎年、毎年、キッチリと
守り続けてきました。
(※4割ぐらいの日本人は
古くから農耕を行わずに、
漁業や林業、手工業や商業を
生業に暮らしてきたようです。)
この5千年の間続けてきた「稲作」の
習慣の歴史が、多くの日本人のルールや
スケジュールをキッチリと守る気質に
影響を与えていると考えられています。
ここで、そのことがより明確に
分かる例をあげさせて頂きます。
< 例です >
お米が無理なく育つ
インドネシアなどの
赤道付近の南の国では、
お米は一年で3回収穫できます。
しかも、日本でお米を作るより、
ずっと手間が掛からないそうです。
気候が合っているので、
あまりお世話をしなくとも、
稲がぐんぐん成長して
どんどん実るようです。
他方、日本での稲作は、
5月~10月の間、稲刈りの前まで、
毎日、田んぼの水の量を
調整する必要があります。
日本の水はたとえ夏でも
稲には冷たすぎるからです。
ですから、田んぼに張る
水の量が多過ぎては、
田んぼの水が日光で温まらず、
稲の生育は悪くなります。
逆に水が少な過ぎても、
水の中で育つ植物である
稲は育ちが悪くなります。
日本の田んぼでは毎日、田んぼの
水量の調節に気が配られています。
一事が万事で、雑草、虫、カビなどの
対策で、日本の米作りは
気配りの連続の中で行われてきました。
同じ稲作を習慣としている国民同士でも、
日本と南国の人たちとの間には
この違いがあります。
このために、日本人はキッチリすること、
配慮することが無意識の
ルールとなっていると思います。
◆ ◆ ◆
多くの日本人がキッチリしていることは
長所でもあると思います。
しかし、ここで心理の観点から
ポイントになるのは、
スケジュールや
ルールを優先して、
キッチリ守っている時とは、
自分自身がしたい事を後回しにして、
我慢している時間でもあります。
その無意識のルールに
従っている「我慢」が、
日本人を、海外の人達と比べた時に
「神経質で失敗に厳しく暗い。
だから一緒に居づらい」
このような印象にさせてしまいます。
このように、「稲作」は日本人に
無理と我慢を強いてきました。
それでは、なぜ?日本人は
ムリを重ねて、リスクの高い
「稲作」を続けてきたのでしょうか?
日本人が「稲作」続けてきた理由も、
日本人の基本的気質に「暗さ」を
作ってしまう原因になっていると
私は思っています。
次回に続きます。
次回もお楽しみに(^^)/
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